校長からの挨拶

Greetings from the principal

校長挨拶

高等専門学校制度は、1950年代中盤から始まった我が国の高度成長期に、実践的技術者の早期育成を望む産業界からの強い要望に応えるために1962年に創設され、2022年に60周年を迎えました。制度創設以降、宮城県内に設置されていた2つの高等専門学校を統合して2009年に誕生した仙台高等専門学校は、名取と広瀬の2つのキャンパスを擁し、本科入学定員280名、専攻科入学定員70名を数える国内最大規模の高等専門学校です。

名取キャンパスの前身である宮城工業高等専門学校は1963年に設置されました。幅広い専門分野の技術基盤を学ぶことができる教育体系が整えられており、設置以来60年間にわたりものづくりに活躍する有為な人材を輩出して参りました。

また、広瀬キャンパスの前身である仙台電波工業高等専門学校は1971年に設置されましたが、この学校の歴史を辿ると1943に設置されました東北無線電信講習所まで遡ることができます。創基以来80年間、一貫して無線通信分野における創造性に溢れた人材を社会に送り出して参りました。

澤田惠介校長

さて、日々主役の交代が続く産業界においては、必要とされる技術者像も絶えず変化を続けています。加えて我が国の社会は、新たにスタートアップを目指す学生や、情報技術に秀でた学生の早期育成を高等専門学校に強く求めています。長らくものづくり分野をリードしてきた名取キャンパスに、国や産業界が強く求める高度情報専門人材の早期輩出を目指して、2025年4月より「情報と創造コース」が設置される運びとなりました。また、従来から高度情報専門人材の輩出を続けて参りました広瀬キャンパスでは、情報技術教育の更なる高度化に加えてアントレプレナーシップ教育にも注力しており、国の支援を受けてキャンパス内に「アントレの巣」と呼ばれる工房が新たに設置されます。

2022年に高等専門学校制度創設60周年を祝う「高専の森」記念植樹が全国の高等専門学校で開始されました。仙台高等専門学校では、2023年10月開催の高専祭で、ハナモモの木が高専制度創設と名取キャンパス開校60周年を祝って、ヤエベニシダレザクラの木が高専制度創設と広瀬キャンパス創基80周年を祝ってそれぞれのキャンパスに植樹されました。植樹された木々は仙台高等専門学校が社会からの要望に応えていくという決意を表すシンボルとなりましょう。そして、東北地区を牽引する仙台圏において、地元に寄り添う高等教育機関である仙台高等専門学校は、今後も東北地区ならびに我が国の発展に貢献してまいる所存です。ぜひ仙台高等専門学校の今後の発展にご注目ください。

仙台高等専門学校
校長 澤田 惠介