令和7年5月14日(水)に仙台市消防局荒浜訓練場において、地中レーダロボットを用いた災害捜索実験を実施しました。
本ロボットは、総合工学科の園田潤教授が文部科学省・科学研究費補助金(基盤研究B)「災害捜索やインフラ点検を刷新する人手不要な3DイメージングAI地中レーダの創出」(課題番号:23H01650)の一環として研究を進めているものです。本研究は、AIやロボット技術を活用し、地中レーダ探査の全自動化・高度化を目指すものです。
今回の実験では、実際に災害現場で活動する仙台市消防局の特別機動救助隊員6名の協力を得て、災害現場を模擬した訓練場において①遠隔操作・自動走行による地中レーダロボットの走行実験、②がれき内の不明者捜索を想定した地中レーダ探査実験、③意見交換による現場ニーズの把握を行いました。特別機動救助隊員から捜索対象の特定において地中レーダによる埋没構造物の検出や、地中の3次元表示が有効であること、また2次災害を防ぐ観点から無人ロボットによる捜索の有効であること等の意見が寄せられました。
2011年の東日本大震災では現在も2520名が、2024年の能登半島地震でも2名が行方不明となっている現状があります。また2025年1月28日には埼玉県八潮市において下水道菅破損による道路陥没事故も発生するなど、社会インフラの老朽化が深刻な課題となっています。
本研究は、こうした災害時の迅速・安全な捜索活動や、インフラの効率的な点検の実現を目指すものであり、今後も現場での実証を重ね、地域社会に貢献できる技術として発展させていきます。
科学研究費補助金・基盤研究(B)の概要
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23K26344/



