令和7年6月3日(火)蔵王山東麓において、地中レーダを用いた火山灰堆積層の検出実験を実施しました。
地中レーダによる火山灰堆積層の検出実験は、本校総合工学科の園田潤教授が、文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究B)「災害捜索やインフラ点検を刷新する人手不要な3DイメージングAI地中レーダの創出」(課題番号:23H01650)の一環として進めているものです。本研究では、地中レーダによって過去の火山噴火に伴う堆積層を検出し、将来の避難・防災計画への活用することを目的としています。園田教授は2017年にも阿蘇中岳火口および砂千里ヶ浜において地中レーダによる火山灰堆積層の検出実験を実施しており、2016年の噴火をはじめとする過去の阿蘇山噴火による火山堆積物を検出しています。
今回の実験は、山形大学理学部の伴雅雄教授が文部科学省「次世代火山研究プロジェクト」の一環としてトレンチ調査を実施した地点で行いました。調査の結果、詳細は今後解析しますが、伴教授のトレンチ調査で確認されたラハール堆積層(火山性土石流/泥流堆積層)とみられる層状の境界を、地中レーダでも検出することができました。
2014年の御嶽山噴火では、死者58名、行方不明者5名という甚大な被害が発生するなど、国内外で火山災害は深刻な問題となっています。本研究は、こうした火山噴火の被害軽減を目的とするもので、過去の噴火の痕跡を把握して避難・防災計画の立案に寄与することを目指しています。今後も現地での実証実験を重ね、安全安心社会の実現に貢献できるように研究を進めていきます。
最後に、本実験の実施にあたりご協力いただいた山形大学の伴雅雄教授ならびに蔵王ジオパーク推進協議会の皆様に感謝申し上げます。
科学研究費補助金・基盤研究(B)の概要
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23H01650/
山形大学PRESS RELEASE
https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/files/8416/9087/0628/Pressform_8_3.pdf

