両キャンパス共通講座「サイエンス・セミナー」を開催しました

名取キャンパスを会場として、広瀬・名取両キャンパス共通講座「サイエンス・セミナー」を開催しました。今回講師としてお招きした先生は、NHK Eテレの「カガクノミカタ」や「考えるカラス」の番組製作にも携わっておられる滋賀大学教育学部の加納圭准教授です。先生は、これまでに「科学の考える力」や「科学の見方」を養う教育プログラムを開発されており、身近な現象に隠れた「なんで?」という疑問を深く掘り下げたセミナーを多数実施してこられています。今回のセミナーでは、「お盆と風船」と「ゴマ塩問題」の2つテーマについて、受講生51名とそのご家族14名のみなさんに考えてもらいました。初めのテーマ「お盆と風船」では、お盆の上に乗せた風船を同時に落とすと、お盆と風船はどうなるのか?という実験です。今回アシスタントを努めていただきました加納研究室の木下さんが実演すると、受講生はその結果に興味津々ですぐに同じ実験を真似してみます。そして、どうしてそうなるのか?まず受講生どうしで相談して仮説を立て、そこに加納先生がコメントを加えて、さらに仮説の検証実験を繰り返していくと、受講生どうしの議論もどんどん熱を帯びていきました。中には、教室を飛び出して実験をする受講生も。そして、受講生に負けず劣らず保護者チームの議論も白熱!最初のテーマから教室内は、楽しんで考える熱気に溢れました。さらにセミナーは、熱気冷めやらぬ中、次のテーマ「ゴマ塩問題」へと続きます。ゴマと塩を容器の中で振り混ぜると均一に混ざったゴマ塩はできるのか?ここでは、ゴマ塩のモデルを使っての実験です。先ほどの「お盆と風船」の実験よりも実験の難易度も増します。うまくゴマ塩モデルを使って実験を進めると、今度はゴマ塩モデルを振る音で教室内は一気に賑やかに。そして、受講生は自分たちのアイディアをみんなの前で次々と披露していきます。この時間だけでも受講生がどんどん積極的になっていく様子が分かります。そして最後に加納先生は、受講生に「科学のやり方」について語りかけます。ここまでの体験を経て、受講生も加納先生の伝えたいことを自然に理解しているようでした。さらに加納先生は、保護者の方に向けた創造性や科学的思考力を育てるにはどうしたらよいか、といったことにも言及されて、2時間のとても濃密なセミナーは幕を閉じました。このセミナーでは、実験を観察して仮説を立て、それを検証する実験を行って、その結果を考察するという科学の考え方を、体験をとおして受講生が無理なく身に付けることができたと感じました。さらに、終了後の受講生のアンケートでも、科学的な考え方や実験の仕方に興味を持った、しっかり考えることを重視していたことがすごく良かった、分からないことを考えることが楽しくて探究心が強まった、身近にあるものにも「なぜ?」がたくさんあるということに気がついた、といった感想が寄せられ、受講生にとって大きな刺激を受けたことが伺えました。今回のセミナーをとおして、思い思いの考えで実験を繰り返す受講生を見つめる加納先生の優しい眼差しがとても印象的でした。加納先生、木下さん、本当にありがとうございました。