Ⅰ〜Ⅲ類共通|応用科学コース

両キャンパス共通コース

FEATURE学びの特徴

応用科学コースでの授業の大きな特徴は,広瀬・名取キャンパス合同の少人数教育にあります。キャンパス間をビデオ会議システムで連結した教室に,各キャンパスの学生が集まり講義を受講します。また研究室では,それぞれのデスクで学生たちが課題に取り組み,学生同士で教え合いながら勉学を追求したり,研究課題に取り組む雰囲気が自然に醸成されています。

自然科学的方法論を核として情報・電気電子・機械・材料の知識と技術を身に付け,工学との複眼的視点から社会に貢献できる科学技術者を養成します。高専にあって他にはない非常に特徴的なコースで,理学と工学の分野横断型コースです。変化の激しい科学技術社会や国際競争に立ち向かうために揺るぎのない基礎知識を身に付けることはいずれの分野でも重要視されており,4年次に転コース制によって配属されます。 本コースでは,解析力学・流体力学・相対性理論・量子力学・熱統計力学・固体物性論の物理系基盤科目と工学諸領域との融合科目を体系的に学修します。それにより,出身コースに基づく工学的基礎技術を持ちながら,理学的素養も併せ持った複合的視点を展開でき,複雑化する社会で柔軟かつ新規な概念・成果を創出できる実践的・創造的技術者の養成を実現します。

量子力学Ⅰ・Ⅱ

量子力学は現代物理学の根幹をなす科目です。ミクロの世界ではニュートン力学が破綻しており,量子力学の波動方程式を使って電子の運動などを考える必要が出てきます。化学における周期律表の解析や有用な物質探索をはじめとした物質科学の基礎となるだけでなく,近年は量子コンピュータなどの最先端情報分野を学ぶための必須の学問でもあります。

情報統計力学

人工知能を支える技術の一端は,磁性体の相転移を記述する統計物理学に由来しています。情報統計力学では,基礎物理が技術応用につながる典型例として,統計物理からニューラルネットワークなどの情報科学までの幅広い分野の関連性を数学的に学びます。またプログラミング課題を通して実際にニューラルネットワークの機能性を解析し,技術の背景について理解を深めます。

卒業研究

現在の学校組織では,学生はどの教員の卒業研究指導を受けることも可能です。応用科学コースで学ぶ科目は科学技術を支える基盤ですので,必ずしも物理系の研究室でなくても適する技術分野があります。積極的に興味の分野を広げながら,かつコースで学んだ基礎を活かしたテーマを見つけてください。

MOVIEムービー

Messageメッセージ

時代に左右されない,工学の普遍的な基礎を高専で身につける —— この目的のため,高学年の特別コースとして応用科学コースが設置されました。名取・広瀬両キャンパスの学生が参加する10名程度のクラスで,物理学と数学に特化したカリキュラムを同学年よりも高いレベルで学習します。卒業時には,工学のどの分野においても通用する高い数理能力を身につけることが目標になります。授業は,両キャンパスをテレビ会議システムで接続した特別教室にて,両キャンパスの教員が担当して行います。講義と演習がセットになった手厚いカリキュラムと少人数教育で,一人ひとりが確実に力をつけることができるコースですので,物理・数学が好きな学生は,4年進級時にぜひ応用科学コースへの転コースを考えてみてください。

数学や物理学は工学の基礎になっていて,欠かせない分野です。その基礎を更に深く学ぶことができるのが大きな特徴の一つです。自分も物理学に大変興味があったので,量子力学などの勉強が出来ていて充実しています。また,その分野を深めたいと志す学生が集まるため,お互い助けあい,高めあう環境が確保できます。

応用科学コース4年 森 俊佑

Laboratory研究室紹介

松原研究室

当研究室では,有機分子と無機ナノ粒子の複合化により,有機材料の柔軟性や成形性と無機材料の機械的強度や光吸収特性などの性質を兼ね備える”有機無機ハイブリッドナノ材料”の開発を行っています.原子・分子レベルあるいはナノレベルで両者を複合化することで,有機・無機の相反する性質を同時に発現するだけではなく,単独の材料では成し得ない相乗的・協奏的な未知の機能を発現する全く新しい機能性材料の開発を目指しています.そのような未来材料の開発に向けて,有機化学や無機化学,流体力学,計算科学,など複数の領域に跨り,分野の枠組みにとらわれない研究開発を進めています.