令和5年12月20日(水)に日本電信電話株式会社(以下NTT)五橋ビルにおいて、 ローカル5Gを使用したAI搭載遠隔操作地中レーダロボットによる屋内外埋設管のリアルタイム検出実験を総合工学科の園田潤教授と専攻科情報電子システム専攻2年生3名(増田楓真くん、中道一紗くん、東海林瑠玖くん)で実施しました。
 地中レーダロボットは、園田教授が文部科学省の科学研究費補助金・基盤研究(B)において令和5年度から実施している「災害捜索やインフラ点検を刷新する人手不要な3DイメージングAI地中レーダの創出」によるもので、AIやロボットを用いてレーダ画像の自動物体識別や自動走行化など地中レーダを高度化するものです。
 ローカル5Gは、通信キャリアに依らず企業や自治体等が自ら構築運用できる5Gです。今回は令和5年2月9日(木)に連携協定を締結したNTT東日本宮城事業部のローカル5Gを使用して、ローカル5Gの1ミリ秒程度の超低遅延や10 Gbps程度の高速大容量の特長を活かし、➀地中レーダロボットをカメラ映像により遠隔操作する走行実験と、②ロボット搭載AIによるビル屋内外埋設管の自動検出実験を実施しました。遠隔操作の地中レーダロボットが実現できれば、災害現場では人が近づけない場所の捜索や、豪雨時の河川堤防や道路などのインフラ点検等が無人ででき、安全安心社会の高度化が期待できます。
 検証実験の結果、ローカル5Gではキャリア回線を使用した場合に比べ、伝送帯域は10倍程度で遅延時間は1/3程度であり、地中レーダロボットを支障なく遠隔操作できること、また埋設管等をリアルタイムで自動検出できることが確認できました。
 本検証実験の結果は、2024年3月に広島大学で開催される電子情報通信学会総合大会において「ローカル5Gを用いた遠隔操作地中レーダロボットによる屋内外埋設管の自動検出」のタイトルで発表予定です。今後は、東日本大震災等の災害時の行方不明者捜索や、融雪剤による塩害で劣化が問題になっている橋梁床板やコンクリート構造物のようなインフラ点検等、地域課題の解決への応用を予定しています。
 最後に今回の実験でローカル5G等の設備を使用させていただきましたNTT東日本宮城事業部ほか関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

科学研究費補助金の採択課題概要
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23H01650/
NTT東日本との連携協定のメディア報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC095WQ0Z00C23A2000000/
https://kahoku.news/articles/20230216khn000063.html
https://www.khb-tv.co.jp/news/14836895

実験の様子1 実験の様子2
実験の様子3 実験の様子4