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校長からの挨拶

新校長挨拶

4月より仙台高等専門学校長を拝命いたしました。新任の挨拶をさせていただきます。
仙台高専は,2009年10月に宮城高専と仙台電波高専が融合再編された国内最大規模の高専です。仙台高専は設立理念の中で,産業界で技術開発の中核を担う実践的・創造的な能力を有し,国際的に通用する人間性豊かな次世代ものづくり技術者の養成を通じて,科学技術と人間社会の調和的発展に寄与することを謳っています。この理念の達成と充実した高専教育を実現するために,微力ながら一生懸命努力したいと考えています。

さて,皆さんはものづくりという語から何を連想されるでしょうか。歯車や旋盤でしょうか。電気回路やプログラムでしょうか。あるいはデザインや構造物でしょうか。目に見えないほどの小さなものから巨大な機械システムに至るまで,一人でこつこつと作るものからチームを組んで長い年月をかけて作り上げるものまで,そしてダイナミックな造形美を誇るものから静寂の中に佇むものまで,ものづくりから連想されるイメージは実に多様です。そしてイメージと同様に,ものづくりの学び方にもいろいろなアプローチがあります。高専におけるものづくり教育の真ん中は,サイエンスベースのものづくりです。ものをつくる最新技術は科学に基づき,科学は数学と物理学によってその多くが表現されます。高専は,科学に基づくものづくり技術を学ぶところです。

初めてものづくりに挑戦したときに,音が出た,光った,動いたなどの小さな機能の発現に目を見張った皆さんには,その感動をさらに発展させるために,仙台高専への進学をぜひ考えていただきたいと思います。仙台高専では,徹底的な実習と実践的な学習を通して専門性と高い能力を有する技術者の養成を目指しています。同時に科学の基礎を理解することによって,ものづくりの背後にある科学技術を高いレベルで学んでいただきます。手に技術を宿した高専生は産業界から非常に高く評価していただいており,数多くの就職の機会をいただいています。また,より深く技術を学びたくなった学生には,専攻科への進学や大学への編入学を経て,大学院で最先端技術を自ら作り出すという進路も入学後に選択できます。

大学とは異なる入口から教育が始まり,アプローチも異なりますが,学生の皆さんが最初に感じたものづくりの小さな感動が途切れることなく,高いレベルに到達するところまで継続的にものづくり技術を学ぶことができる高等教育機関が高専と言えるでしょう。高専で高度な教育を受けて巣立った技術者は,新たに生み出された価値を社会に還元するイノベーションの担い手として,健全な社会の発展に大きく貢献しています。これから進路を考える皆さんにも,そしてその保護者の皆さんにも,高等教育機関である仙台高専の魅力にぜひ注目していただきたいと希望しています。



仙台高等専門学校
校長 澤田 惠介