総合工学科の園田潤教授による地中レーダ等に関する研究成果を、水道管漏水検出へと展開する研究に対し、公益財団法人KDDI財団より学術調査研究助成が贈呈されました。
 KDDI財団の学術調査研究助成は、「ICTが拓く豊かな未来社会」をテーマに、ICTの普及・発展、グローバル化に資する技術や制度、まちづくり、医療、経済、文化など、広範な分野の調査・研究を支援するものです。
 助成テーマは「地中レーダを用いた水道管漏水検出の研究」であり、近年深刻化している水道管の老朽化や漏水問題に対し、地中レーダ・AI・電磁波シミュレーションを組み合わせた検出技術の開発を目指すものです。
 現在、漏水調査は主に人による音聴調査に依存しており、環境音の少ない夜間に限定されるなど、作業環境や精度に課題があります。園田教授は昨年から仙台市水道局と連携し、仙台市内で地中レーダによる漏水検出の実証実験を実施中であり、AIとの組み合わせにより、高精度かつ効率的な漏水検出が期待されています。
 社会インフラの老朽化は全国的な課題であり、2025年1月には埼玉県八潮市で下水道管の破損による道路陥没事故も発生するなど、早急な対応が求められています。本研究は、こうした課題に対してICTを活用し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
 なお、助成金の贈呈式は、2025年3月26日(水)に東京都千代田区飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントにて執り行われました。

公益財団法人KDDI財団学術調査研究助成
https://www.kddi-foundation.or.jp/grant/#research

従来の音聴調査の例
地中レーダによる仙台市内の漏水実験の様子
地中レーダによる仙台市内の水道菅漏水検出の例
地中レーダで検出した水道菅漏水の補修工事の様子