藤田智己助教(建築デザイン学科)が「東北建築賞研究奨励賞」を受賞しました

建築デザイン学科の藤田智己先生が、研究題目「転動柱基礎免震システムの基本設計法の提案」で2012年度(第33回)日本建築学会東北建築賞研究奨励賞を受賞されました。6月22日に盛岡市の岩手県公会堂で授賞式にて、日本建築学会東北支部長より賞状が授与されました。

同じ規模の地震であれば、地震による被害は、経済レベルの低い国ほど大きくなります。開発途上国において地震被害を低減することを目指したのが、転動柱を用いた基礎免震システムであり、藤田先生がこの数年間手がけているテーマであります。開発途上国の組石構造物に用いられている材料強度は極めて低く、被害低減には地震の入力を低くおさえることが必須となりますが、一般的なアイソレーターは高価であるため使うことができません。藤田先生は、柱の上下端を球面とした転動柱を免震支承として用い、経済的に無理なく製作できる履歴系のダンパーと組み合わせた免震機構の開発研究に取り組んでこられました。

このたびの受賞論文では、免震層の固有周期とダンパーの降伏せん断力の目標を定めて転動柱とダンパーを設計し、設計用地震動の入力エネルギーに対して、免震層の最大応答変位と最大せん断力係数が設計目標をクリアする基本設計法の提案に言及するものであり、開発から実験、そして解析と設計違法の提案といった一連のプロセスが高く評価されたものであります。

2011年3月の地震では、津波と放射能の被害があまりにも甚大で、今なお後遺症が続いています。
建築デザインの関係者一同、藤田先生の受賞を祝福するとともに、社会に貢献できる学科となるよう精進してまいりたいと思います。

(建築デザイン学科長 飯藤將之)

 

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