第11回専攻特別講義Ⅰ、Ⅱ(第213回定例談話会兼)を開催しました

 11月20日(水)、本校広瀬キャンパスのICTメディア教室において、ケンブリッジ大の Aleix Ruiz Falques 氏による「Historical outlines of the Catalan problem in Spain」と題する講義がありました。現在、彼は仏教哲学専攻の博士課程に在籍しており、本学総合科学系の笠松先生・逢坂名誉教授と共同研究をしています。彼の出身がスペインということもあり、カタルーニャ問題について歴史に沿って説明を頂きました。
 カタルーニャ州はフランスと接する北部の自治州で、州都はバルセロナです。スペイン中部の中心都市であるマドリッドやトレドと文化背景が異なるため、スペイン全体の政治経済の変動を種として、時に大規模なナショナリズム運動が展開されることがあります。経済状況の厳しい今のスペインにおいて、北部のカタルーニャやバスクが豊かなので、一見すると富の配分に対する不公平感というものが運動の引き金になると想像されますが、お話を伺うと、多民族で構成されるヨーロッパではそもそも中世以来歴史的に形成された地域ごとの「自治」「独立」とそれに基づく「連邦国家」に対する潜在意識が強く存在するようです。一方で、それを深く考える土壌のない日本人がその本質を理解するのは非常に難しいとも感じました。
 今回の講義はいつもと異なり、カタルーニャの地域史からヨーロッパの文化的背景の理解を深める方向性で、非常に新鮮でした。

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