第2回専攻特別講義Ⅰ、Ⅱ(第253回定例談話会兼)を開催しました

 6月9日(木)、本校広瀬キャンパスのICTメディア教室において、アムステルダム大学の Fred Brouwer 教授による「Extreme Ultraviolet Photochemistry at the Advanced Research Center for Nanolithography」と題する講義がありました。

 Brouwer 先生のご専門は Molecular Photonics です。講義では極短波長(13.5nm)の光によるナノレベル微細加工のご説明をいただきました。この分野は応用上重要であることに加えて、この加工プロセスによって生じる化学変化は、学術的にも非常に興味深いものです。この光のエネルギーは 91.8eV であり、電子工学でおなじみのエネルギースケールの約100倍です。この光励起によって物質がイオン化するとき、オージェ電子が放出され、それがリソグラフィーに効果的に働きます。この波長の光は表面敏感でかつ生成される電子の移動度が相対的に低いので、空間的な揺らぎの少ない精密な加工に向いているという理由が背景にあるようです。専門外のお話で学生達にとっては難しかったのですが、最先端の技術に触れる良い機会となりました。

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