第2回専攻特別講義Ⅰ、Ⅱ(兼第261回定例談話会)を開催しました
4月28日(金)、本校広瀬キャンパスICTメディア教室において、福村 裕史校長による「光学顕微鏡の分解能と光化学」と題する講義がありました。
福村先生は、東北大学大学院理学研究科長を経て、本校の校長に赴任されてから2年目となります。御専門の研究分野は物理化学・機能物質化学で、特にレーザー化学の領域で多くの業績を残されています。今回の講義では、顕微鏡の発展史を基にしながら、光の多彩な性質・光の波動性と粒子性・物質との相互作用に関する基礎的な知識を簡単な実験も交えて述べられました。また最近10年の光学顕微鏡技術(STED光を用いた蛍光顕微鏡やSTORMなど)がナノメートル・スケールまで見ることのできることを引き合いに出しながら、既存技術を超える際の柔軟な発想についても述べられました。
物理と化学はよく比較されるのですが、理論物理学者は自然の統一法則を求め、化学者は物質の多様性を尊ぶと言われます。福村先生は常に具体的な現象を引き合いに出されるため、学生達には非常に分かりやすく魅力的に映る話しぶりだったと思います。またそれだけではなく、量子物理の重要な考え方も自然な形でご説明いただきました。工学が専門の学生達に、理学研究者の素直な好奇心の大切さが伝わっていれば何よりです。今回は基礎的な講義でしたので、もう少し専門的なお話しをいただく機会があることも期待しています。
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