令和5年12月17日(日)石巻市尾の崎海岸,令和6年1月18日(木)名取市閖上海岸,令和6年1月30日(火)山形県朝日町ASAHI自然観において,災害捜索用AI搭載地中レーダロボットの走行実験を総合工学科の園田潤教授と学生3名(総合工学科福島萌香さん,加藤泰人君,三國裕倫君)で実施しました。
 AI搭載地中レーダロボットは,園田教授が文部科学省の科学研究費補助金・基盤研究(B)令和5年度採択「災害捜索やインフラ点検を刷新する人手不要な3DイメージングAI地中レーダの創出」や,令和5年度公益財団法人JKA複数年研究「自然災害時の行方不明者捜索のためのAI自動捜索ロボットの開発」で研究しているもので,災害時の捜索を地中レーダ×AI×ロボットにより人手をかけずに全自動化するものです。
 今回実験した地中レーダロボットは,地中や雪中に埋もれた不明者を自動捜索しようとするもので,日本の測位衛星「みちびき」のセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)により高精度に自動走行するとともに,地中等の不明者をロボット自動走行により精度10 cm程度で位置特定できるものです。実験では,現在も東日本大震災の行方不明者捜索が実施されている石巻市尾の崎海岸や名取市閖上海岸の砂浜で,また朝日町では雪崩災害を想定した雪上で走行実験を実施しました。災害捜索用地中レーダロボットが実現できれば,二次災害の恐れなく迅速な捜索活動が実施でき行方不明者の早期発見が期待できます。
 実験の結果,災害現場に運搬できるように今年度新たに開発した小型軽量の地中レーダロボットでも砂浜や雪上を走行できることや,地中レーダの反射箇所から地中物体の位置をCLASにより高精度に特定できることが確認できました。この結果は,2024年3月に広島大学で開催される電子情報通信学会総合大会で発表予定です。
 最後に今回の実験では,大川小学校遺族会関係の皆様,ASAHI自然観の皆様,地域振興サポート会社 まよひが企画代表 佐藤恒平様ほか多くの方々にご協力等いただきましたこと感謝申し上げます。

 公益財団法人JKA研究助成2022年度機械振興補助事業研究補助複数年研究
 https://hojo.keirin-autorace.or.jp/about/list/kikai/2022/
 科学研究費補助金採択課題概要
 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23H01650/
 これまでの報道例
 https://www.bosai.yomiuri.co.jp/biz/article/9725
 https://www.nikkei.com/persons/%e5%9c%92%e7%94%b0%e6%bd%a4
 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tbc/386549?display=1

実験の様子1 実験の様子2
実験の様子3 実験の様子4