国立研究開発法人情報通信研究機構の委託研究に採択
-ウイルス等感染症対策に資する情報通信技術の研究開発-

 仙台高等専門学校は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の令和3年度委託研究・ウイルス等感染症対策に資する情報通信技術の研究開発に採択されました(課題名「3密回避を実現するドローンAI協調型海ごみ自動回収運搬ロボットの開発」)。
 新型コロナウイルス感染症の流行が世界各地で発生し、大きな問題となっているなか“新しい生活様式”の導入を余儀なくされています。本委託事業は、新型コロナ感染症に伴う様々な問題を解決するICTの研究開発に関するもので、課題B「新型コロナウイルス感染症対策“新しい生活様式”を実現するためのICT」で採択されました。
 仙台高等専門学校は、日本財団と環境省の共同事業である「海ごみゼロアワード2020」の審査員特別賞(課題名「複合リモートセンシングとAIによる海洋プラスチックの自動検出」)を受賞し、同アワードで日本財団賞を受賞した合同会社とびしまと、山形県酒田市飛島の海ごみ問題を解決する海ごみ自動回収運搬ロボットの研究開発を進めています。飛島では漂着する海ごみが多く、毎年人手による回収事業が行われていましたが(図1)、新型コロナ感染症の影響で実施できず海ごみがそのままになっており環境問題になっています。本委託研究では、代表研究責任者の仙台高等専門学校総合工学科・園田潤教授を中心にして、人手によって回収されていた海ごみをAIや自動走行技術により自動回収するロボットの開発に取り組みます(図2)。このような問題は、飛島に限らず日本の離島および沿岸部で発生しています。本研究開発により、コロナ禍や人口減少・高齢化社会において回収が困難になると予想される海ごみを、少人数・低コストで自動回収することができます。また、海ごみだけでなく、農林水産業の荷物運搬用やレーダ搭載インフラ点検など他の分野にも展開できる適用範囲の広い技術です。

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図1 飛島でのバケツリレーによる海ごみ回収の様子 図2 開発中のAIによる海ごみ自動識別と自動回収運搬ロボット