仙台高等専門学校へ入学される皆さんへ

仙台高等専門学校へ入学される皆さんへ

 いつもより早い春が東北の地にも到来しました。桜と共に開花されるべく、仙台高等専門学校にて新しく学生生活を始める皆さんに、真心をこめて祝福の言葉を贈りたいと思います。入学される皆さんをここまで育てあげられました、保護者の皆様にも心からお祝い申し上げます。

 今年度、準学士課程の新入生はⅠ類123名、Ⅱ類122名、Ⅲ類42名の合計287名です。これに加えて、編入学生が9名おります。また、専攻科課程の新入生は情報電子システム工学専攻29名、生産システムデザイン工学専攻39名の合計68名です。若く、はつらつとした皆さんを迎えることができるのは、本校の最大の喜びであります。

 さて、皆さんが入学されたこの仙台高等専門学校は、大学と同じ高等教育機関に属しています。皆さんは生徒ではなく学生とよばれることになりますが、それは単に呼び名が違うだけにとどまりません。小中学校では、すべての問題には正しい答えが用意されていて、そこに到達できるように先生が導いてくれたものと思います。しかし、高等教育機関における「学び」は、これとは全く違うものです。最終的には、誰も解いたことがない問題に取り組む「研究」のレベルに到達できるよう、自ら進んで学ぶ態度が要求されます。「習いごと」から「知の生産」への転換を経験することになるでしょう。

 今回の入学式は、コロナウイルスの感染拡大により、中止せざるを得ませんでした。華やかな式典は開けませんでしたが、皆さんが例年同様に厳しい競争に打ち勝って入学されたことに変わりはありません。是非、誇りをもって勉学に励んでほしいと願っています。仙台高等専門学校には、現代の科学技術を学ぶための教育研究設備と、熱意にあふれる教職員と、緑豊かな素晴らしい環境がそろっています。実際に皆さんの先輩は、実社会で技術者として主導的な役割を担ったり、大学や大学院に進学したりして、科学と技術の最先端分野で顕著な活躍をしています。皆さんも、自らを律し、たゆまぬ努力をすれば、そののちに輝ける人生が待っているでしょう。共に学びましょう。

 令和2年4月5日

                                  仙台高等専門学校長 福村裕史

入学生宣誓(準学士課程)

*学生自身が式典用に準備したものを、そのまま掲載いたします。

宣   誓

 桜のつぼみがふくらみ、春の息吹が感じられる本日、私たち準学士課程新入生一同は、新しい学校生活への期待と不安を胸に入学式を迎えました。

 本日から始まる五年間の学生生活を通して、私たち新入生一同は、先生方や先輩たちに学びながら、新しい仲間たちとの友情を深め、互いに高め合い、責任ある行動をとれる人間になれるよう努力を続けて行きます。

 そして、技術をもって人間社会に貢献し、また、柔軟な思考力をもった人間性豊かなエンジニアになることを目指し、努力することをここに誓います。

 令和二年 四月 五日
                                      準学士課程入学生総代
                               仙台高等専門学校 総合工学科 Ⅰ類
                                         梅 津 彩 果

入学生宣誓(専攻科)

*学生自身が式典用に準備したものを、そのまま掲載いたします。

専攻科課程入学生宣誓文

 若い草の芽も伸び、桜の花も咲き始める、春爛漫の今日、私たち仙台高等専門学校専攻科新入生68名は入学の日を迎えることが出来ました。この日を迎えることができましたのも、ひとえに来賓の方々や校長先生をはじめとする先生方、職員の皆様、ならびに保護者の皆様のおかげでございます。新入生を代表して厚く御礼申し上げます。

 コロナウイルスの影響で様々なイベントが延期、中止されています。そのうちの一つに、私たち仙台高等専門学校の卒業式がありました。お世話になった先生やともに勉学に励んできた友人との別れの場がなくなり、残念に思っている人も多くいるかと思います。しかし、このような状況だからこそ、この春旅立っていった友人たちに私たちの活躍を届けることが出来るよう、勉学や研究活動に励むべきだと思っております。
 
 来年2021年は、東日本大震災から10年という節目の年となりますが、沿岸部の住宅再建、風評被害の払拭など課題はまだ多く残っています。更には度重なる自然災害、異常気象、コロナウイルスの流行などによって私たちの日常が脅かされています。このような混沌とした時代に求められているのは、物事を冷静かつ正確に判断し、困難に立ち向かう姿勢です。

 仙台高専専攻科のアドミッションポリシーには「自発的に問題を発見し、解決する意欲を有する人」という文言があります。これは、技術者にとって必要不可欠な能力です。準学士課程の5年間で私たちが学んできた、基礎的な専門知識や技術に加え、他分野の知識と技術、さらにはそれらを複合化、融合化することで問題を発見・解決する能力を身に着けていく必要があります。これも、この時代に求められる能力の一つであります。

 私たち新入生一同は、準学士課程で学んできた自らの専門分野にとらわれず、様々な観点から物事を見つめ、問題を発見・解決する能力を養うこと、そして、この時代だからこそ逆境に負けないエンジニアを目指して前進していくことをここに誓います。

 令和二年四月五日

                                       専攻科課程入学総代
                         仙台高等専門学校 生産システムデザイン工学専攻
                                           佐々木 凜