令和5年6月30日(金)に内閣府主催の「2023年度みちびきを利用した実証事業公募」に総合工学科園田潤教授による「みちびきCLASにより高精度で自動走行するインフラ点検用地中レーダロボットの開発」が採択されました。
 みちびきは、日本の衛星測位システムのことで、衛星からの電波によって位置情報を取得できるものです。衛星測位は、カーナビや携帯電話・スマートフォンで使用するナビゲーション機能には欠かせないものです。アメリカの衛星測位システムGPSでは、衛星が上空にない時間帯などでは測位精度が低下する問題があるため、みちびきの測位衛星が打ち上げられ2018年11月から運用が始まっています。特に、みちびきではCLASと呼ばれるセンチメートル単位の精度で位置情報が取得できる信号が配信されており、高精度な自動走行など様々な新しいサービスの実現が可能になります。
 採択されたテーマは、園田潤教授が文部科学省科学研究費補助金による東日本大震災の行方不明者捜索のための自動走行地中レーダロボットや、国立研究開発法人情報通信研究機構委託研究による海ごみ自動運搬ロボットなどで進めてきた研究成果を、近年問題になっている社会インフラ老朽化の自動点検ロボットに展開するものです。
 実証事業では、人口減少や高齢化などが問題になっている宮城県塩竈市浦戸諸島や山形県酒田市飛島などで実証実験を予定しており、地域課題の解決に向けた新しい事業の実現を目的としています。

 「2023年度 みちびきを利用した実証事業」採択事業一覧
  https://qzss.go.jp/info/information/applidemo_230630.html
 これまでの「みちびきを利用した実証事業」の紹介
  https://qzss.go.jp/ex-demo/

山形県酒田市飛島で実験中の自動走行地中レーダロボット(2023/3/23)